With


「テッドの馬鹿!」
バン、とドアを思いっきり開けて、バタバタと階段を行く音。
いつもの、お決まりの台詞を残して、あいつが出て行く。

ここはお前の家なのに。
(まあ、いっか・・・。)
どうせ、しばらくしたらまた、顔を出す。
そのドアから、ひょこっと。バツが悪そうに。
そしたら、なにもなかったことにしてまた、遊べばいい。

・・・俺が悪いのは、分かってんの。

わざと怒らせてみるようなことをいって。

だって、三百年だぜ?

子供の姿のまま、あちこちを渡り歩いて。
俺が知ってる町の話は、いつももうずっと過去のもので。
誰も信じてくれやしないから、俺の話はいつもほら吹き。

あの街の宿の横に、小さな泉があって。
それはもう、50年も前の話。
ウソなんかじゃないけど、もうどこにもありはしない。
俺自体すでにウソに近い存在。
生まれは300年前。ただでさえその存在を隠していた村は跡形もなく。
渡り歩いた村も街もあのときのままでなどある訳もなく。

だからさ、人に言わせるとおれは嘘つきなわけ。
俺のこんな言葉なんかで、だから、怒ることなんて全く意味がないんだぜ?

だからさ、俺なんかに構わなくていいわけ。


「テッド・・」
ぎい、とドアを開けて、バツが悪そうに入ってくる。
「・・・グレミオが、おやつだって・・・」
ほんとは、呼びたくないんじゃないの?口とがらせて。

「・・・2人で食べた方が、おいしいんだもん・・・」
そういわれると。
「そうだな、1人で食っても楽しくないよな。」
ほんと、もう、降参だよ。

なあ、お前はいうとまた怒るかもしれないけど、俺はお前といると心地いいよ。
お前が笑ったり怒ったり泣いたりそんな沢山の感情をそのままぶつけてくるから。
それがきっと、三百年の中で俺が失ったものを思い出させてくれるよ。

なあ、おれはお前に嘘なんかつかないよ。
それだけは誓うよ。
本当のことは最後まで言えないかもしれないけど。

魔法使いや妖精や不死の女、そんなものに会った話をしよう。
お前は多分おとぎ話と思うだろう。
紋章を守るために閉ざされた村の、哀れな生き残りの話を。
沢山の冒険の話をしよう。

お前は話を聞きながら、きっと冒険してる気分になって、
笑ったり泣いたりきっと忙しいだろうけど。
そいつもきっと、まるで一緒に冒険してきた気分になって、
独りだったことを忘れるだろう。

たった一人の孤独を埋めて。

いつかお前と旅に出よう。


俺の生まれた村を、いつか見せてあげる。


世界の果てを二人で見よう。





 突然ですがあゆりんです。
 テッドがー(泣)!
 実は幻水1,2通してもっとも一押しがテッド君なのですが、あゆりんは好きすぎて彼の話を書けないのです。
 さよ、書いてくれてありがとう!
 あんたの書くテッド、めちゃくちゃツボです。何でこんなに上手いんだー!
 おかげで私はこの先もテッドの話は書けないでしょう。だからもっと書いて読ませてね。


 ほめられちゃった。わあい。(さよ)




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