なかよし

修行の合間、俺たちは並んで歩く。
昼飯を買いに。
片道5分もかからない、短い距離。

「サスケ、あのさ」
日差しの強い行き道で、ナルトが不意に覗き込んで言う。
「俺たちってば、仲良し?」
「・・・そうだな。」
別に否定する材料もなかったので、そういうと。
「うん。」
嬉しそうに笑った。

もう少し行くと、
「あのさ、俺たち、ナカヨシだってばよ。」
楽しそうに。
それは、さっきもいったろ?
「ああ、ナカヨシだな。」
それは事実だからそう答えるしかないが。
そういうと、また、すごくご機嫌になって。

(なんなんだよ・・・)
ナルトが笑っていれば、それだけですごく自分は幸せで。
だから、別にいいんだけど。
「・・・おまえ、ボキャブラリー貧困。」
もっと日本語勉強しろ。のうたりん。
「いいんだってばよ。」
「よくねえだろ。」
そんなだから、俺の言いたいことなんか、ちっとも伝わんねえだろ。
「言いたい言葉は全部使ってるからダイジョーブなの!」

言いたい言葉って。
『好き』『嫌い』『ばか』『俺はナルトだってばよ』
・・って。どう考えてもウスラトンカチじゃねえか。

あと。『仲良し』

すぐに店に着いて。
カップラーメンを買おうとするのを止めて、
「米食え、米。大きくなんねえだろ。」
ちゃんと栄養のあるものを選んでやって。
野菜なんて食べないから、せめて野菜ジュース。
放っとくとラーメンとあんパンとプリンなんて選ぶから。
「俺がついてないとお前、栄養失調でたおれちまうぞ。」
「じゃあ、ついてればいいってばよ。」
「ずっと?」
「ずっと。」
そう言っては、また笑う。
そりゃ、こんな馬鹿、おいてけるわけないけどさ。

帰り道で、3歩ほど先を歩いていたナルトが振り返る。
「あのさ。」
「なんだよ?」
「サスケってば、俺のこと好きってきいても、好きとか言ってくれないけどさ。」
「・・・ああ。」
そういえば今日は訊かないんだな。
「でも、ナカヨシってきくと、ナカヨシだっていうんだってばよ!」
自慢げに種明かし。
ああ、だから、そんなにご機嫌なのか。

ちっぽけな、だけど、おまえにとって大切なこと。

こんなわずかな距離を、ナルトと2人で居たくて。
だから一緒に昼飯を買いにいく。
なんてことは、口には出さないけど。



ナカヨシに決まってる。





500番キリリクにて桃井アンズ様にもらっていただいた粗品。
「サスナル日常」ということで。
いろいろ励ましの言葉がめちゃくちゃ嬉しかった。桃井さん、ありがとー。



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