光の中で見えないものが
 闇の中に浮かんで見える


 まっくら森はこころのめいろ
 ちかくてとおい


 まっくらクライクライ











 まっくら森の歌










 あいつはホントに臆病で、強情っぱりのドベだから
 今までずいぶん大人しく待ってたけれど
 いい加減待つのも飽きてしまった。



 だから、もう、言わせてしまおう。








 「知らねえよ、そんなの!・・・知ってても、おまえにだけは死んでも言わないってば!」
 睨み付けてくる青い瞳。
 甲高い喚き声。
 いつも通りの強気な態度で、でも声が震えてる。
 そんなに怖い?
 オレに知られることが。
 それとも、知ってしまった後のオレの反応が?
 「サスケにはかんけーねーだろっ!」
 馬鹿か、おまえ。
 おまえのことで、オレに関係ないことなんて、一つもないって分らない?





 隠し持った千本を取り出してゆっくり突き付けてやれば、途端に黙り込む。
 覚えてた?
 オレがこいつを全身に受けて、おまえの前で死んだのは、ほんのちょっと前のこと。
 ほら、まだオレの身体には、こんなに痕が残ってる。
 「・・・仕返ししたいならしろってば」
 ほんとにおまえ、ウスラトンカチ。
 そんなことするわけないだろう。
 もっと効果的な方法があるのに。





 ゆっくり右手を振りかざす。
 怯えた瞳がオレを見上げて。
 




 「サスケ!!」


 



 細長い針が肉を抉る感触。
 鋭い切っ先は、古い傷痕を寸分の違いもなく貫いて、赤黒い液体で染められる。
 滴る血はオレのもの。
 おまえは呆然とオレを見る。
 腕から千本を生やしたオレは、おまえの目にはきっとあの時と同じ姿に映る。
 「ナルト」
 おまえは怯えて後ずさり、それでもぎゅっと口を噤んだまま。
 「まだ足りない?」
 もう一度右手を振り上げて、今度は首筋の傷痕に狙いを定めて。
 「やだっ、やめて、サスケ!」
 震える手がオレを止め、そして
 小さな小さな声が





 やっと、言った。





 ウレシイ





 断罪を待つ罪人のようにぎゅっと目を瞑って俯くおまえ。
 そっと頬に触れれば、手に伝わってくる震え。
 固く引き結ばれた唇に唇で触れれば、面白いくらい全身が跳ね上がって。
 驚きに見開かれた瞳は、信じられないものを見る目でオレを見る。
 映っているのは、見たことないくらい甘く微笑むオレの顔。
 だって、こんなに嬉しい。
 やっと言わせた。
 おまえ、きっと初めて自分から言った。





 震える身体を抱き込んで、深く深く口付ける。
 嫌がって逃げても許さずに、思う存分貪った。
 ぐったりと力の抜けた身体がオレに委ねられるまで。
 荒い息を吐くおまえの耳元に唇を寄せると、くすぐったそうに身じろぎする。
 ぼんやりした青い瞳がオレを映すのを確認して、そっと囁いた。
 




 「バケギツネ」





 腕の中の身体はびくっと強張り、やがて、はらはらと涙を流した。





 カワイイ



 後から後から頬を滑り落ちる雫を、一滴残らず舌で掬う。
 勿体無い。
 こんな雫も、今は全部オレのもの。
 だって、他には誰もおまえなんて相手にしない。





 「バケギツネ」





 何て、甘い響き。
 たったこれだけで、
 眩しい眩しい陽の光のようなおまえが
 オレの処まで堕ちてくる。
 
 
 
 
 



 さかなは空に
 ことりは水に
 そしてきつねは森の中
 深くてクライ腕の中
 他にどこへも行けないよ


 


 まっくらクライクライ




 













 風邪でダウン中なので、何も考えずにつらつらと書きました。ので、短いし、あちこち変かも。(一応イメージは谷○浩子なんですが、冒頭とラストに取ってつけただけだし。) 
 サスケ、黒くても所詮ナルト馬鹿。まあ、それが奴のアイデンティティだし。
 そういや、波の国の後の話、これで書くの3回目ですが、どれもサスケ暗かったりやばかったり、そんなんばっか(笑)。




戻る