会いたくて
サスケともう一週間も会ってない。
別にいいんだってばよ。
ケンカしたわけじゃねーもん。
あいつってば、ほーじなんだって。
家族の人達が死んでから何年目かのおいわい・・・じゃないけど、とにかく何かやるんだって。
だから、しばらく会えないって言われた。
任務もお休みなんだって。
『好きで行くわけじゃないんだからな』
分かってるってばよ。
サスケってば「当主様」(よく分からないけど一番えらい人らしい。何かムカツク)なんだし、シンセキヅキアイってもんがあるんだろ。
ほとんど血のつながりなんてないような遠い親戚ばかりでも、ギムだからしょうがないんだよな。
『拗ねるなよ』
オレのこと何だと思ってんの?
そんな子供みたいなことしないってば。
おまえ、遊びに行ったわけじゃないんだし、電話一本できないくらい忙しくても当たり前なんだよな。
ちゃんと分かってるってば。
・・・ただ、あんまりオレを放っとくようだったら、ウワキしてやるだけだってばよ。
イルカ先生とかカカシ先生とかサクラちゃんとか、おまえよりずーっとずーっと優しくて、構ってくれて、意地悪じゃない人なんか、たくさんいるもんね。
だから、サスケなんかいなくたって全然ヘーキ!
もうお前なんか用なしだってばよ!
・・・でもさ。
冷蔵庫の野菜とか傷んできちゃって。(だって一人じゃつくる気しない)
修行にも集中できなくて。(だって静かすぎて張り合いがない)
夜もあんまり眠れない。(だって部屋が広すぎる)
・・・やっぱり、サスケのバカ。
ほんとにウワキするぞ。
それがイヤなら、早く帰って来いってば。
トントンとノックの音。
ドアの向こうに馴染んだ気配。
びっくりして駆け寄るより先に、がちゃっとドアが開いて。
「おまえ、鍵くらいかけろっていつも言ってるだろう」
久しぶりに会ったってのに、いきなりお小言なんて、そっちこそ相変わらずデリカシーってもんがないってばよ、バカサスケ。
オレのこと放ったらかしにしてたって自覚はあるわけ?
ずーっと待ってたオレの立場は一体?
むうっと唇を尖らせて睨み付けると、サスケは気まずそうに黙り込む。
それからふわっとオレを抱きしめて。
「・・・ただいま」
耳元で声。
おまえさ、それでごまかしたつもり?
いくらオレが単純で、ぎゅうが好きだからって、そんなことで・・・
そんなことでごまかされてやるのは、今回ぐらいだってばよ!
触れたところから感じるサスケの体温は、いつもよりかなり高くて。
熱があるって程じゃないけど、こういう時のサスケってばすげー疲れてるんだ。
顔には絶対出さないんだけどさ。(でもばればれだってーの。このカッコツケヤロウ)
疲れてる時のサスケ、元々無口なのがますます喋らなくなって、他人が傍に寄るだけでもうざそうで、めちゃくちゃ機嫌が悪くなる。
でも今日はいつもと違う。
サスケじゃないみたいに身体ぬくいけど、不機嫌ってカンジしない。
オレを覗き込むまっくろな瞳は、ちょっとだけ心配そう。
もしかして、オレのことひとりにして、悪かったって思ってる?
ほんとは帰ってくるの明日のはずだったのに、こんな夜遅く無理してオレんとこ来るくらいには。
ひっつくの苦手なくせに、おまえからぎゅうってしてくれるくらいには。
なら、許してやってもいいってば。
背中に腕を回して、ぎゅっと抱き返して。
「お帰りってばよ」
にいって笑ってやったら、サスケはほっとした顔をした。
「別に無理して来ることなかったのに」
でもやっぱり、すんなり許してやるのは癪にさわるし。
ちょっとだけ困らせてやりたくて、わざとそんなこと言ってみたら。
「拗ねられて、後で機嫌取るの考えたら、会いに来た方がよっぽど楽だ」
余裕の笑みで返されて、やっぱりこいつムカツク。
何でこういっつも見透かしたようなことばっか言うんだってば。
・・・そりゃ、そのとおりかもしれないけどさ。
「来たくないのにわざわざ来られても、嬉しくなんかないってばよ」
だから、反撃。
だって悔しい。
オレばっかおまえに会いたかったなんて、おまえはオレがいなくても平気だなんて、そんなのズルイ。
だから言えってば。
そんなことないって。
会いたかったって。
言ってってば。
じいっと見つめると、サスケはため息を吐いた。
「オレは今、うざい連中の相手してきてすげえ疲れてるんだ」
それで?
だからそんなくだらないこと言うななんて言ったら、別れてやるってばよ!
「・・・だから、栄養補給が必要だろ?」
そう言うと、サスケはまたオレを抱きしめて、ゆっくり顔を近付けてきた。
しょうがない。
オレはちょっとだけ上を向いて目を閉じる。
まったく、おまえってばちっとも素直じゃなくて、こんな簡単なことも言ってくれなくて。
だけど、唇があったかいから。
抱きしめてくる腕の強さが気持ちイイから。
トクベツに合格ってことにしといてやるってば。
オレの心の広さに感謝しろよ?
サスケが旦那。はいいとして(いいんかい)、ナルトがまるきり女の子ですね、これ。
いっそナルコ部屋においとくべきだったかな。
このナルト、きっと寂しいと死んじゃう生き物ですね(笑)。
「そんなことない」とか「会いたかった」というサスケも見てみたいです。(さよ)
そーゆーことを言えるような奴、サスケじゃない。(あゆりん)