架空の恋愛


「どーだってばよ!」
「・・・」
目の前にいきなり現れたのは年の頃は17,18の若い娘。全裸、である。
{あのね・・・。}
さくらは、深く溜息をついた。
どこの世界の男が、好きだという女のまえで、女の裸体になって見せるのだ。
どうにも、こいつのことは理解できない。

冷たい視線と沈黙にナルトも悪ふざけが過ぎたことを(そして、さくらのコンプレックスを
刺激してしまったことを)悟ったようだ。
「あ。あのさ。」
おそるおそる、覗き込んでくる。
そのしぐさに、さくらはふといじめてみたくなった。
「・・・ふん。」(突っ張りとおせないことするんじゃないわよ)
「術解くってば」
「そのままでいい。」
「・・・は?」
自分はまだ、こどもで。だから今はそりゃあこんな胸だし、こんなお尻だけど。
「こんな」やつよりもっといい女になって見せるのだ。
だいたい、いい女がそうそう脱いでたまるものか。
ちょっとだけ、お仕置きしておこう、と思った。
くのいちの教室では、そのようなことがどんな危険にさらされるかちゃんと教える。
その時の身の処し方も。例えば屈しなくてはならないときも。
生きて、反撃に出るために。そして、里に帰るために。
が、少年たちは教わらないだろう。
里のために死んでもいい、といいつつ、果たして耐えられるのかしら。
あまりにも目の前の「こども」は無防備だ。
わたし、いじわるだわ、とおもった。
印を結ぶ。
「さ、さくらちゃん!!?」
ナルトがおどろく。びっくりして、まっかになって。
おんなみたいだ。と、おもった。
(あらやだ、かわいいじゃない。あんたのまね、しただけなのに)
もっと意地悪をしたくなった。
さくらの顔をした全裸の少年が、少女の唇を吸う。
「さ・・・、さくらちゃ・・」
「さくら、でいい。」
少年はきれいな顔に少し意地悪い笑みを浮かべる。(ちょろいもんね。)
本で読んだとおり、でいいなら。あたしはかなりのことを知っていた。
いっそためしてみようか?ここで。
「や・・・」
「あた・・・(は、違うか)おれのこと、好き、っていったでしょ?」
「で、でも・・」
泣きそうだ。これでお色気の術などとは、笑わせてくれる。
最後までいってやろうかしらん、と考え。
しかし、まだ陽が高いのを思い出した。
目の前の少女は泣きそうで、でも逃げようとはしなかった。

「・・・冗談よ」
そういって、さくらは背を向けて術をといた。
「もう、しちゃ、だめよ」
ばかみたい、とさくらはおもった。
自分がとらわれているなんて、思っても見なかった。





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