Sugar raised
「ほら、これ」
「ひええー!いいの!?シノ!これ、ここのお菓子ってめっちゃ高いんだってばよー。」
「気にするな。ただの礼だ。」
その日。なんとなくいつもよりざわついた教室で、ナルトは義理チョコのお礼を受け取って。
(・・・おもったよりお返し多かったってば・・・)
こんなに食べきれないなあ、とか。どうしようとか。そんなことを思いながら。
火影様なんか和菓子の生菓子のしかも詰め合わせ。
いくらナルトでも賞味期限内に全部を食べる自信はない。
いつもなら、去年までなら、きっとナルトはお菓子だらけで大満足で。
だけど。今年、なんだかちょっと物足りない。
だって。
本命のチョコを渡した相手は今日お休み。
ホントはそういうのって生まれて初めてで、
だから今日のお返しなんてものもちょっとは期待していたのだが、
「・・・馬鹿たれサスケ・・・」
2,3日前から風邪をひいたようで具合が悪いなどといっていたが、
だからって今日休むこと、ないだろ。とナルトは思う。
「受け取ってもらっといて贅沢言うんじゃないの。」
そういってサクラちゃんが慰めてくれたけど。
だって。
今日休みってことはさ。
ひょっとして。
ひょっとしてだけどさ。
すっげ美味い手作りチョコとか持ってきた子とかいてさ、
それでサスケすっげ感動してその子好きになっちゃって、
おれなんか、手がかかるし我侭ばっかいうしサスケにとっちゃ「うざい」(って時たま言われる)し、
もう嫌いになっちゃったのかもしれない。
わあ。
・・・・・。
なんだかどんどん考えてるうちに悲しくなってきて。
(サスケ、やっぱおれのこと、嫌いになっちゃったのかなあ・・・)
せっかくお菓子一杯なのに、ちっとも嬉しくなくて。
どうしよう。
ぽん、と頭に浮かんだ名案。
「・・・お返し、強奪しに行くってば。」
だって。
サスケから貰いたいんだもん。
帰り道、レトルトのおかゆとポカリスエット、果物のゼリーを少々買って、お見舞いもこれでおっけ。
でももしお返しくれなかったらどうしよう。
「・・・・・やらないってことは、わかんねえか。」
なんて言われたら、そしたらそしたら、思いっきりぐーで殴って帰るからいいもん・・・・
涙目で足どりも重く、サスケのうちのベルを鳴らす。
誰も出てくる気配はない。
お見舞い品だけ置いて帰ろうか・・・・
サスケのバカたれ。ほんとにいないの?
病院いってる、なんてのはサスケの性格からして多分昨日のうちか今日の午前中。
午後のこんな遅い時間は「病気なら」寝てる。
・・・・・ひょっとして熱とかひどくて倒れてたりしないよね。
覗くだけ、ちょこっと覗くだけだってばよ。
そう、っと玄関に手をかけると鍵はかかっていない。
それじゃ、家を空けてるはずがない。
「サスケ!」
不安になって、家の中に入る。
なんでこんなに無駄に広いんだってばよ!
寝室にはもぬけのからの布団。少し冷たいって事は動いてからだいぶ経ってる。
どこで倒れてんの?
走っていくとなんだかいい匂い。
「おまえ、なにやってんだ。」
「サスケ!」
うしろからの声にふりむいてサスケの顔を見たとたん、ほっとして、ぎゅう、っと抱きついた。
「サスケ、生きてる?だいじょぶ?倒れてない?」
「・・・・・大丈夫、生きてる、倒れてない。・・・ってどうしたんだ。」
「今日がっこ休んだから心配になって・・呼び鈴鳴らしたけど返事ないからしんじゃったんじゃないかって・・」
「殺すな、生きてる。」
「うん・・・・・」
じいっと見上げる。いつもならぎゅう、ってしてくれるのに、今日は違う。
(やっぱ嫌いになったんだ・・・)
「・・・・ちょうどいい。お前に用があったし。」
「よう?」
「ほら、口あけろ。」
そういわれて口に放り込まれた甘いもの。
「・・・クッキー・・・??」
「菓子なんてつくんの初めてだから上手くいかなくてな・・」
「・・・・・」
「昼まで寝てたんだけど熱も下がったし、暇だったし、お前やんねーと絶対誤解するか拗ねるし。」
「・・・・・」
「売ってるのでもいいんだけどどれ選んでいいか分かんなくてそれで俺だったら欲しいもんとか考えて・・・・おい、きいてんのか?」
よく見ればサスケってばパジャマの上に上着はおってエプロンしてなべつかみでクッキーの皿を持ってる。
照れ隠しなのかいつもよりおしゃべりなサスケ。横むいて耳まで赤い。
どうしよう、ほんっとにほんっとに。
「・・・・・あんがと、サスケ。すんげー嬉しいってば。」
激マズだなんていえないけど。(絶対バターと砂糖と塩の量間違えてる!)
たくさんもらったおいしいお菓子よりもこんなのが欲しいなんて。
「来年は俺も手作りあげるから。食べてね。」
にっこりと笑うとサスケもちょっと照れたよう。
来年作るチョコレートは生クリームと砂糖死ぬほどいれて超あまくって口がとけそうな奴。
食べてくれたら、とびっきりの笑顔で
アイノコクハクくらいしてやってもいいかもしんない。
私のかくサスケ君は料理そんなに上手くありません。あゆりんのと違って。
てか和食とかはかなり上手ですし手早いのですが。お菓子類は味覚がね。
でもそんなのってどうでもいいことなんです、と私めは思いますです。(さよ)
今回ナルトが健気だね。ナルコだと大抵サスケの方が健気なんだけどさ(笑)。カップルになりたてvって感じでグーです。(あゆりん)