DISTANCE(DISTANCE-11)
あの人が目をそらす。
私から、ナルトから、全てから。
もういいのだと、いわんばかりに。口を閉ざし。
武器を磨き、任務をこなし、
時折ふと空を見て、何かを決意し、
それは
「野望はある。」
そういったあの時の目。
ナルトがしくじって、
一瞬手を差し伸べそうになり、つらそうに手を止める。
関係ないのだと。どうでもいいのだと。
それでも、ナルトだけを見てる。
照れたように赤くなったり。
悪口言ってけんかしたり。
楽しそうな日常は、もうない。
サスケ君の半分がどこかにいってしまったみたい。
「好きなものはない」
そう言い切った、あの時の目。
たったひとつの「好きなもの」を奪ったのは、私。
大切な宝物を、奪い取ったのは私。
だけど好きだった優しいあなたも、どこかに消えてしまった。
ゲームのはずだった。
チェックメイト。
追い詰めたはずの私は、王様がもうどこにもいないことを知った。
計算外の出来事。
これじゃ、続けられない。
それとも終わったの?
私がナルトをコマとして奪ったときに、王様はそこに隠れていたの?
私の勝ち?いいえ、ヘンね。
傷つけて、奪い取って、なのになにも残らないの。
せめて、憎んでくれると思っていたの。
私はあなたにとって、その価値すらないの?
何もかもなくして、二人だけ残されたとしても、
私のことをみてはくれないの。
バカね、分かっていたわ。
分かっていたの。
それでも あなたは わたしを えらばない。
そんなことくらい。
わかって、いたの。
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