哀しみの種(DISTANCE-12)



その日の任務はある山に珍しい鉱物があるかの探索。
二手に分かれた。サクラとナルト、カカシと俺。
普通なら能力の配分から考えて俺とカカシが組むなんてことはない。
組まされた理由は分かってる。俺がどちらとも口をきかないから。
・・・・心が狭い。とは思う。
だけど、見たくない。聞きたくない。考えたくない。あいつらのこと。
それでいて、あの二人が今何をしてるか気になるなんて、
我ながら馬鹿馬鹿しくてあきれちまう。

「サスケ、あのさあ。」
「なんだよ」
「いや、任務中うわの空ってのは感心しないよ。怪我の元だから。」
「・・・・。」
なら、いやでも集中しなきゃならないような任務よこせってんだ。
こんな単純作業、いやでも思考がよそにいっちまうだろうが。
「俺の言った言葉覚えてる?」
「・・・」
「忍者は裏の裏を読め、って。」
「・・・」
「物事にはね、どんなことにだって原因があって理由があって
 結果があるんだよ。」
「・・・俺が悪いってのかよ。」
「そうはいってないよ。ただ、種まきしなきゃ花は咲かない。
 よく考えたら見えてくるものもあるから。
 まあ、それでどうするかはお前次第だけど」
何を考えろ、というんだ。
「それから、一つ老婆心で言っとくと。時には素直になんなきゃね。」
「・・・んな説教するために俺と組んだわけじゃねえんだろ?」
「そ、お仕事。このあたりの地質じゃだめそーだね。
 次のポイントにいきましょっか。」

「・・・俺が何か見落としてると?」
「さあてねえ、あ、そこの草ちゃんと調べて。
 その根っこで調べるんだし。」
「・・・やっぱ、アンタ嫌いだ。」
「正直でいいね。それでいいんだよ、子供は。」
「・・・?」
「好きなら好き、嫌いなら嫌い、駄目なら駄目、
 伝えたいことはいわなきゃ駄目。」
「・・・できねえ、よ。」
「そ。まあ、ここまでしか俺はいえないよ。お節介はこれまで。
 後はお前たちの問題。」
好きなら好き。今更ナルトに?
嫌いなら嫌い。・・・・サクラに?
だけど別に嫌いって訳じゃない。関心がないだけで。
・・・・・・。
訳、わかんねえよ。

20つけたポイントの、13位を回ったところで、あいつらと出くわした。
「これといって、なかったわよ。」
「そう、じゃクライアントも安心して山を売れるってわけだ。」
「そうね、あくまでも、地表近くのこのポイントだけならね。」
「依頼がそれだけなんだから、いいんだよ。」
「・・・お金渋っちゃってさ、専門家じゃないとホント駄目なのに。」
サクラとカカシが報告用の書類作成について語っている。

手持ち無沙汰なナルトが地べたに座り込んで、俺はその横に立った。
『好きなら好き』
・・・言えるかよ。そう思って、あいつを見る。
「ナルト・・」
口を聞くのは、この前泣かせちまって以来。
「あのさ、サスケ、おれ・・」
俯いて、ぽそ、とナルトが呟くようにいう。
「ごめんね。」
「・・・」
「サスケにもサクラちゃんにも悪いことしたってばよ。」




「任務完了。かえろっか。」




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