二人の帰る場所(DISTANCE-16)
ここ。カカシせんせのテストでサクラちゃんがおべんとくれたとこ。さすけも。
ここ。いつかの集合場所。サクラちゃんがおこったとこ。サスケとケンカして。
ここ。サクラちゃんが肩貸してくれて歩いたとこ。サスケに勝ちたくて無理して。
なんとなく、うちに帰る気になれなくて、
どんよりと曇った空の下を、ぼう、っと歩く。
たくさん、サクラちゃんと一緒にいた。サスケも。
あちこちに、みんなでいた思い出がある。
そうやって、いつの間にかアカデミーまで来ていた。
ここ。サスケに化けてサクラちゃんの気持ち確かめたとこ。
サクラちゃん、サスケのこと好きっていった。
サスケに認めて欲しいっていった。
思い出して、ずきん、とした。
ここ、・・・サクラちゃんがよく来てた。おれのとなりのサスケの席。
ヘンなの。サクラちゃんの思い出なのに、全部サスケがいる。
ここ。おれのせき。
サスケによくなんでこんなのもわかんねえんだ、っておこられて。
居眠りする暇あったらこのくらい勉強しろ、とか、うるさくて。
時たま殴られた。むかついて睨んだら、手加減してる、とかえらそうに言って。
ドベとかウスラトンカチとかいって俺のことバカにするのに。
走ってて遅れたりすると待っててくれて。
世話任されてるから、しかたねーだろ、とかいって。
でも、他の奴が俺の悪口言うのとかには、絶対加わったりしなかった。
サスケの、俺はみんなと違うんだ、って態度に腹たったけど。
俺に笑いかけてくれたりはしなかったけど。
いつも俺の言う話、最後まで聞いてくれた。くだらねえ、って感じだったけど。
ここ。サスケとくちぶつけたとこ。
・・・ずっと、一緒にいたんだ。
いつ、手を離してしまったんだろう。
いつ?
好きといっても返ってこない言葉に、気持ちをたしかめようとしたとき。
答えは返らなくて。思いは届かなくて。拒絶されて。
お前のはレンアイじゃねえよ。
誰でもいいんだろ?
そういって、背を向けたから。
それが答えだったから。
そうなのかもしれないと思って。
女の子にドキドキしたらそれが恋なのだと思って。
サクラちゃんと付き合った。
・・・アイなんて、わからない。
まだ分からない。
普通の奴はもっともっと、深く深く誰かを思える?
九尾のおれじゃ、できないこと?
誰もくれなかった愛なんて、どうやっても理解不能で、与えられない?
だから、シツレンしたの?
教室の窓から、外を見る。
雲が垂れ込めて火影岩が、見えない。
どんよりで、なんにも、みえないってば・・・。
雨が降り始めた。
おあつらえむき。
雨の中、歩いて帰ろう。
誰にでも平等に冷たい、雨が、今は恋しい。
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