おとぎばなし(DISTANCE-3)



アイツが俺にくれるもの。
それはアイツの求めるもの。

ぎゅう、って抱きしめて。
それから「好きだ」なんて、いってやれば、
多分お前はそれだけで。


「簡単なことでしょ」なんて、あのクソ上忍ならいうだろうが。
俺にはどうしてもその気持ちが理解できない。
そんな恥かしいこと、口が裂けてもいえるもんか。


好きだなんていわなくても。
俺はお前をじっと見てる。
お前の笑う顔が見たくて、無理だってしてる。
今日だって、自分ちに帰りゃ、やるべきことはたくさんあって。
掃除だの洗濯だの、そろそろ買出しだってしなきゃいけない。
だけど、お前は一人が嫌いだから。
一緒にいてっていわないけど、分かっちまうから。
できる限り、そばにいてやってる。


お前のこと、全部知ってる。
好きなものも嫌いなものも得意なことも苦手なことも。

求めるものも。


「俺、」
なのに、神妙な面持ちで。
「サクラちゃんと付き合うかも。」
そういって、俺を見る。

ああ。
お前はちっともわかんねえんだな。
ひどく空虚な気分になって。
「そうか」
それ以上いえなかった。

ナルト、お前、大好きだなんて、言葉だけが欲しいのか?
「好き」だなんていいながら、
他の誰かと付き合おうなんてお前が。
だれにでもぎゅうって抱きついちまうお前が。
それのどこにホントの気持ちがあるんだよ!

いっそ口が訊けなければいいのに。
こんなにお前を思ってることが。
お前にそしたら分かるだろうか。

昔読んだ人魚姫の話をふと思い出す。
俺が王子なら、おれはあいつを他の奴と間違えたりはしない。
だけどもし逆なら、おれはきっと泡になる。

仄暗い闇の中であいつを見つけた。
あいつの側にいたくて、闇を抜けてたどり着き
だけど求めることも、殺して闇に還ることもできず、
この身は海の泡と化す。
魂だけはまた闇の底へ。

・・・・らしくねえ。
こんなこと考えるのは、俺らしくねえ。

そう思って顔を上げると
下を向いたまま黙りこくったお前。

泣きそうだな。
その程度には俺をおもってくれてるんだな。

だけど、おれはなにもいってやれない。
お前は責めるような目で見る。
泣くのかな。
また泣かせちまったことになるのかな。

そんな顔見ていたくなくて、
優しい言葉なんてかけられなくて、
「帰るぞ」
そういって立ち上がる。

振り返らない。
振り返れない。
サクラを選んだお前に優しい言葉なんてかけてやれない。
俺を好きといいながら付き合うお前もサクラも
俺にはわからない。




いっそ。
泡になっちまえばいいのに。




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あどけない話。サスケサイドで書いて見ました。こうすると、ナルトのウスラトンカチ!ってことになるんですよねえ。
サスケ、自分を人魚姫に託すあたりで終わってる・・・・。
うちのサスケって実のところ、結局まだ、ただの1度もナルトに好きっていえてません。・・・・だめじゃん。                 


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