思秋期(DISTANCE-5)
あいつが、サクラを好きっていうのは知ってた。
アカデミーの頃から。
くのいちクラスのサクラといのはかなり好意があからさまで、
引っ付いてくる態度が露骨で、俺は正直迷惑だった。
ナルトにもよく睨まれた。
「興味ねえんだよ」
なんていっても、効果はなく。
「いつかは私が振り向かせるのよ!」
なんて、二人でぎゃーすかやってた。
「ヤナ奴!」って目でナルトが見てた。
俺のせいじゃねえなんていうのは、傲慢なのか?
理不尽さに腹が立った。
おれが、好きなのは・・・・。
あの頃から、ずっと見てた。
40人もいないクラス。
秋道、犬塚、うずまき、の次がうちは。
出席番号の関係で、ナルトと組まされることが多かった。
ぶきっちょで、頭悪くて、物覚えは悪いし、うるさいし、
あくびするし、居眠りするし。
・・・・なんでこいつと組まされるんだ。なんてよく思ったけど。
つまらない課題なんかとっとと済ませてしまう俺には、まあ
ひまつぶしにはなったし、
先生たちにしてみれば、ちょうどいい世話役にされてしまって。
だから、一緒にいる時間は
他の奴に比べたらずっと多くて。
あいつが卒業できなかったとき、ちょっとだけ心配だった。
あいつ1人で大丈夫なのか、とか。
誰が、あいつのことちゃんと世話してやれるのかな、とか。
次の日の卒業者の説明会に額当てをして来たときは、
驚いたけど嬉しくて。
同じ長机に席を取ったのに、どう話し掛けていいか分からず、
だけど視界の端に。
いきなりやかましい音がしたとおもったら、
きやがった、春野サクラ。
あー、また、睨むよな、って思ったら、すぐ目の前にあいつの顔。
机の上に座って、生意気に俺にガンたれてやがる。
だから俺のせいじゃないっての。
むかついて睨み返して。
息がかかるくらい近くで。
どん。音がして、倒れ掛かるあいつ。重ねた唇。
体重がかかって、すぐには撥ね退けられず。
どころか、そのまま抱きかかえるような格好になって。
正気を取り戻すのに、5秒ほどかかってしまって。
あ、サクラに殴られてる。
なんて、見てたけど、冷静になんかなれなかった。
スリーマンセルで同じ班になって、ちょっとほっとした。
だって、あんなドベの世話、俺以外じゃ絶対無理だし。
俺以外になつくのを見るのももっとむかつくし。
本当に世話が焼けて。それが苦痛でないただひとりの。
死ぬ間際でさえおまえのことしか思い出せないこの俺の。
うちはの復興、兄への復讐、自分の全てさえ投げ出せるくらい。
本当に渡したくなんかなかった。誰にも。
失って、奪われて、こんなにも、
ナルトが好きなのだと知った。
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すみません。私、あろうことか油女シノさま忘れてました。
この回想中は別クラスだったと解釈してください。
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