月のオペラ(DISTANCE-8)
好きよ、ナルト。
その言葉の代償に、わたしはあなたを縛る。
優しく口付けをして、それからクスリを飲ませてあげる。
しあわせになる、お薬。
ためらいながらもなすがままになるあなた。
どこまで私に自由をくれる?
こころも。からだも。
ぜんぶゆだねて。
気づかないの?
あたしは、あんたなんか、大嫌い。
こんなことをして、痣はすでに赤黒く。
潤んだその瞳に写るアタシは、まだ、嫌な女でさえないの?
絶望と快楽をあげる。
笑顔なんか粉々になるくらい。
せめて泣き叫んで許しを請えば、抱きしめてあげるのに。
どうすれば、あなたはもっと傷つくの。
オマエナンカヒドイヤツ。ダイキライ。そういえば、許してもいいのに。
どうして、あなたは傷つかないの。
「サクラちゃん・・・」
それでも、その口から発せられる声が、まだ私を求めているから。
好きよ、ナルト。
繰り返す。
呪文のように。
「大好き・・」
あなたは安心したように、私に笑いかけるから。
こんなにひどいことをしているのに。
まるで私は、子供をあやす母親のよう。
赤ん坊の無邪気な笑みが、ひどく残酷に胸を刺す。
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