容れもの 序 2    サスケ





ナルトがいなくなった。

それは突然で。
何の前触れもなく。

だけど、あとかたもなく。



昨日まで、笑ってた。
いつものように、俺を見つけて、かけてきて。
うれしそうに、じゃれてきて。
俺は憎まれ口をきいて。あいつがふくれて。
なだめながら、幸せで。

いつもの、こと。

それなのに。


「あー、突然だけど、今日からナルト、いないから。」
いつものように遅刻してきたカカシが普段どおりの口調で告げた。
「なにいってんのよ、先生」
「・・・任務は3人一組が基本だろ?」
「そーよ、どうすんのよ!」
「んー、そうなんだよねえ。だけど、ま、おまえらならだいじょうぶでしょ。」
「って、そーゆーもんだいじゃなくて!」
(サスケ君とふたりきり、はまたとないチャンスだけどどういうことよ?)
聞こえてるぞ、サクラ。
「あいつは、どうしたんだ?」
胸中ひどく穏やかでなく。ねめつけるようにカカシを見上げる。
「んー、特別任務、なんだよねえ。秘密の。」
「それって、どういうのよ?」
「いっちゃったら秘密にならないでしょ?」
「・・・・」
「忍者なんだからさ。お前らもそういう風なのそのうちあるんだし。」
さー。きょうは、そういって始まったたいしたことのない任務の間、俺は一言もしゃべらなかった。
はたからみたらそれこそひどく不機嫌に見えたろう。
サクラが話し掛けてこないくらいだったから。

(なんでだよ!あのばか。)
ずっとそんなことをおもっていた。
黙っていなくなるなんて。
(俺が傷つかないとでも思ってんのかよ!)
ひどく胸が痛かった。
ナルトが見たら、怒ってるって言うだろう。怒ってるさ。
黙っていってしまったなんて、そんな選択をさせてしまったことが、どうしようもなく悔しくて。
アイツを分かっていたつもりの自分が情けなくて、腹立たしい。
必要じゃないことはいくらでも喋るくせに、何で何も言わないんだよ。

任務が終わって、カカシをつかまえる。
「・・・・あいつ、は!」
何をきけばいいのか、わからなくて、言葉が詰まる。
任務だから、言えないことだったのかもしれない。
それに、アイツが言わないと決めたことなのに、今更。
カカシは、しばらくじっとみて、頭をぽんぽんとなでる。
「大丈夫だよ。」
そういって。
「・・・・難しい任務だからなあ。そのうち助けがいるかもしれないなあ。」
「・・・・?」
「とくに写輪眼ってことで高度に特殊な能力とかあると、役に立つかもなあ。」
「・・・」
「今つかえるのは俺だけなんだよね。」
にーっとわらう。こいつ。そういうことか。
「よろしく、お願いします。」
一礼すると、おまえは存外素直なんだよね、といって、また頭をなぜた。

うだうだいうより、会ってひっぱたくか説教の一つや二つかましてやりてえ。
とにかく顔見て、馬鹿だのウスラトンカチだのいって。
わかってないだって?
てめえのほうがわかってねえ。









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