First Impression
「サスケ君って、優しいのよねえ・・・。」
うっとりするような目でサクラちゃんが呟く。
サクラちゃんは頭いい。サクラちゃんの言うことはだいたい正しい。
だけど、サスケに関してだけは、言っちゃ何だがサクラちゃん、それ、絶対間違ってるってば・・。
ぶっちょづらで愛想なくて悪口しか言わなくてスカしてて考えただけでもむかつくくらいやな奴じゃん。
そうナルトは思う。口で勝てるわけないから言わないが、つい顔にでる。
「・・・あんた、めちゃくちゃ文句言いたそうな顔してるわよ」
眉間にしわは寄るし目つきは悪くなるし口はとがらせてへの字になって、
「・・・だって、それ、ぜってーウソ!」
「ナルト・・。」
にっこりと笑って、両方のほっぺをぶにっと力一杯つままれた。
「い!いひゃひ、サクラひゃん・・」
「人の恋路にケチつけるんじゃないわよーってなーんど言えば分かるのかしらねー」
恋は盲目なんて言うけど、ホント、サクラちゃん、アンナヤツ、どこがいいんだろ・・。
「優しくなんかないってば!あいつ!」
アイツ、優しくなんかない、と思う。
だけど、サクラちゃんがそんなにいうなら、ひょっとして女の子には優しいのかもしんない。
女の子の前ではなんか、実はちょっと笑顔の青春さわやかヤローだったりして、にこにこして親切だったり
?男にはめちゃくちゃ冷たいけど、そういう奴・・・?
うわ、サイテーだってばよ!そんな奴にサクラちゃんは渡せない!
絶対絶対!正体確かめて、それからこてんぱんにのしてやるんだってばよ!
ふつうの変化の術なんてこれっぽちも上手くできないけど、なぜだか女の子に化けるのは得意。
サスケ相手だから、同じくらいの年で、それから、・・やっぱ胸はおっきいほうがいいかな・・・?
「よし、どっから見ても女の子だってばよ!」
シシシ、みてろよ、サスケ!
なんて意気込んでみたものの。
校庭にサスケの姿。周りに少し距離をおいて数人の女の子。
(むっつりすけべ・・・)
なんか、腹立つ、の、だ、が、しかし。
はた、と止まる。
よく考えたら話しかける話題なんてあるわけないし。
女の子周りにいるし。
今の俺ってばあいつの知らない奴だし。
まるで接点ない・・・だめじゃん。
なんだか、ひどくがっかりしてしまって、背を向けて歩き出す。
本当に、サスケとは授業中ときどき組まされるときに話すだけで、
休み時間まで一緒にいたりとかそんなことないし。
だから、本当はあいつのことなんて、全然知らなくて。
「ちぇ・・・」
ツインテールの髪を指に巻き付けて。
「サスケのばーか・・」
つまんなすぎ。
くやしいから、後ろを振り返って、向こうに小さく見えるサスケに思いっきりアカンベーをして。
どうせ見えやしないし。
「やっぱ、ダイキライだってばよ。」
なんでこんなにむしゃくしゃするのかなあ。
でも、絶対サスケのせい。アイツが悪いの。
サスケのバカ。
「おい」
目の前から声がして。顔を上げるとサスケがいて。
「どわ!」
「お前一体俺になんの用だ」
「は?」
「さっき、思いっきり人に舌出して見せたろ」
あ、やべ・・・。見えてたのか。で、わざわざケンカ買いに来たって?
「お前に用なんか、ないってば!」
「うそつけ。」
「女の子がみんなお前に気があるなんて思ってんじゃねーぞ!スケコマシ!」
「んなこと、思ってるわけねーだろ!なんでスケコマシなんだよ!」
「・・・・・・・・」
「・・・お前なんか、きらい。」
「知らない奴に嫌われる覚えはねーぞ」
「俺は知ってるからいいの!」
「俺はよくねえ!大体お前里の奴じゃねえだろ!どこの誰だよ!」
言えるかよ、バカ。
「とにかく大大大大だーいっ嫌い!」
そういって、走り去る。
「誰なんだよ・・・」
その後に残されたサスケが、呟く。
「きらいで、結構・・・」
そういいながら、割り切れなくて。
鮮やかな黄色の髪がやけに頭から離れなかった。
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