やっと開けられた箱の中身は、やっぱりひどく崩れていた。
プリンの型に入れたまま詰めてあったのが、地面に落とした衝撃ですっかり型から外れ、箱にべっとりくっついてしまっている。
でもやっぱ記念だし、食べなきゃ勿体無い。
直接落としたわけじゃないし、形がどうでも味は変わらないからと、ナルトは屈託なく笑った。
箱にくっついたチョコクリームを、お行儀悪く指で掬う。
スプーンくらい使え、てかせめて箱に付いてるヤツなんかじゃなくて本体の方を食え、なんて言いたい事は色々あるが、今現在、あいにくサスケはそんな事を言える状況にはない。
それに、ナルトがどんな反応を示すか非常に気になる所ではある。
「・・・おまえ、確かお菓子作ったの初めてって言ってたよな」
指先にたっぷり付いたクリームをぺろんと一舐めしたナルトは、何故か眉間に皺を寄せてそんな事を言いだした。
しまった失敗したかと内心焦りつつ、あくまで外見は平然とサスケが頷く。
「それで何でこんなおいしーんだってばよ! ズルイ!」
美味しいと言われたのは大変に嬉しいのですが。
そこでズルイと言われても。
弁解したくても、今のサスケは物理的に声が出せる状況ではなかった。
何となれば、彼の口の中にはチョコが詰まっているからで。
しかもそれは、さっきからずっと口に含んでいるにも関わらず、一向に溶ける気配がないという強者だった。
ナルトお手製でなければとっくに吐き出していた、というより最初から食おうとも思わないが。
(市販のチョコを使ったくせに、何でこんなもん作れるんだ?)
ある意味才能と言えるかも知れない。
無言で口を動かし続けるサスケを、ナルトが悔しげに睨む。
「みてろよっ、来年はぜったいぜったいぜーーーったい!おまえなんかよりもっとすげーの作ってみせるんだから!」
憤然と言ってのけるナルトに、サスケは目を丸くする。
珍しくも露わな驚きの色は、やがて嬉しげな笑みに変わった。
初めてみる表情に、ナルトが呆然として(はっきり言うと見とれて)いると、ぐいと腕を引っ張られて、いきなりサスケの顔がアップになった。
「楽しみにしてる」
「・・・・!」
不意に広がるほのかな甘み。
サスケ用にかなり甘さが控えてあるそれは、ナルトにとってはかなり物足りない。
口中をころころ転がるチョコが喉に詰まりそうになって、危うくナルトはそれを吐き出した。
「お、おまっおまっおまえっっっ」
「来年もくれるんだろ。期待してるからな」
顔を真っ赤にしてあうあうと吃るナルトに、サスケはにっこりと笑いかけた。
それはもう、無気味なくらい爽やかに。
いきなりサスケ性格変わってます。ナルトの気持ち分かったら途端に強気。なんだかなあ。
ちなみに私はチョコは嫌いです。勿論作ったりなんかしません。つーか出来ません。
なのに、サスケが作るチョコをどんなのにするか決めるためだけに、チョコ作りの本を買っちまいました。しかも2冊。
ホントにこれから使い道ないんだけどどうしよう・・・。(あゆりん)
さよはあきれてます。あゆりん、キミって人は・・・。
そういや昔ある同級生に手作りのチョコを貰った事があったけど市販のチョコを煮溶かして固めただけのソレは固くって食べられたものではありませんでした。(なんていっても厚みが2cmも・・・)
ナルコのもそんなものだったのだろうか。サスケ哀れよのう。(さよ)